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二次性頭痛

二次性頭痛とは

 二次性頭痛は、頭痛の中でも早急な治療を要する脳の病気によるものです。急に起こった頭痛で、これまで経験したことが無いような強い痛み、熱を伴う、手足の痺れや動かしにくさを感じる場合には緊急を要する二次性頭痛の可能性が高いので、早めに医療機関への受診し検査を受けることをお勧めします。軽い頭痛やがなかなか改善せずにクリニックを受診して、検査を受け二次性頭痛と診断される場合もあります。

くも膜下出血 

 くも膜下出血は、脳を覆うくも膜と脳の間に出血が起こる病気です。原因は様々で、最も多いのは脳動脈瘤の破裂によるものです。その他には外傷性(頭のけが)、脳腫瘍、脳血管奇形などがあります。症状は、突然の激しい頭痛、嘔気や嘔吐が出現します。出血の量が多いと意識状態が悪くなり、重症の場合には昏睡状態になったり、最重症の場合には死に至る場合もあります。出血の量が少ない場合には、軽い頭痛のみのこともあります。中年以降の女性に多く、血縁の近い親族にくも膜出血の既往のある方がいるとリスクが高まる傾向があります。診断は頭部CTやMRIによりなされますが、出血源を調べるためにはMRA(MRIの血管を見る検査)が有用です。くも膜下出血は、出血量が多いほど予後は悪くなる傾向があり、意識障害や片麻痺など後遺症が残ることがあります。くも膜下出血は発症したら再び出血をしないようにするための治療(開頭クリッピング術、血管内コイリング塞栓術など)を早期に行う必要があります。くも膜下出血は、早期の診断と治療が重要です。

脳出血

 脳出血は、脳の血管が破れて脳の中に血の塊ができて、脳組織がダメージを受ける病気です。高血圧、脂質異常症、糖尿病などの生活習慣病による動脈硬化で血管がもろくなったり、血管の異常(脳血管奇形、脳腫瘍、脳動脈瘤など)、老化により脳血管が弱くなるアミロイドーシスなどが原因となります。動脈硬化が原因のものを高血圧性脳内出血といい、最も多いタイブです。症状は、頭痛に加え、脳出血が発生した反対側の手足の運動麻痺や顔面の麻痺、呂律が回らない、言葉が出ない、重症の場合には意識状態が悪くなるなど、様々です。これらの症状は、出血は突然起きるために突然に出現しますが、発症直後は症状が軽くても徐々に出血が増えて徐々に症状が進行するものもあります。出血量や出血の場所により症状やその程度が異なります。治療は、出血量や出血の場所、出血の原因などにより異なります。軽症であれば血圧の管理やお薬で治療する内科治療を、重症では手術で血腫を取る場合もあります。出血による脳組織の損傷に応じて後遺症が重くなりますので、発症後の速やかな診断と治療が重要です。

脳梗塞

 脳梗塞は、脳の機能を維持するために必要な血液が供給されなくなることにより、脳組織がダメージを受ける病気です。高血圧、脂質異常症、糖尿病などの生活習慣病による動脈硬化により脳の血管が狭くなったり詰まってしまうことや、不整脈で心臓の中にできた血栓が心臓から出て脳の血管を詰まらせることで発症します。症状は、脳梗塞が発生した脳の部位により様々で、手足や顔面の麻痺やしびれ、呂律が回らない、言葉が出ない、頭痛、ふらつき、めまい、重症の場合には意識状態が悪くなります。血管が急に詰まってしまった場合には突然に症状が出現しますが、徐々に血管が詰まる場合には最初は症状が軽く徐々に症状が進行するものもあります。発症からの時間によって治療が異なり、発症から早期であれば血栓を溶かす治療(血栓溶解療法)や血栓をカテーテルで回収する治療(血栓回収療法:発症から)が可能で、治療が成功して血流が再開すれば後遺症を軽くすることができる可能性があります。

 脳血管が一時的に詰まると、言葉が出にくい、話しにくい、手足の麻痺などの症状が出現します。脳血管を詰まらせた血栓が溶け血流が再開することにより、症状が24時間以内に改善するものを”一過性脳虚血発作”と呼びます。一過性脳虚血発作は、そのまま放置していると脳梗塞が続発する危険性が高いために、原因に応じ再発を予防する抗凝固剤や抗血小板剤の服用、場合によっては手術治療を考慮します。

椎骨動脈解離性動脈瘤

 脳血管は、内弾性板、中膜、外膜の三層構造となっており、内弾性板の断裂部から中膜内部に血液が流入すると脳血管の「解離」が発生します。この解離部が瘤状になったものが解離性動脈瘤です。脳動脈解離は、首の骨の中を通過し頭の中に入っていく椎骨動脈に好発します。解離が生じると、後頚部や後頭部を中心に急に強い疼痛が発生します。解離性動脈瘤により、血管内部の血流が悪くなると脳に血流が行かなくなり脳梗塞となります。また、解離性脳動脈瘤から血液が血管外に流出すると、くも膜下出血となります。くも膜下出血の場合には再度破裂する危険性が高いので、早急な診断と治療が必要です。

脳腫瘍

 脳腫瘍は脳内にできた組織が増殖したもので、原発性脳腫瘍と転移性脳腫瘍の2つに分類されます。原発性脳腫瘍は脳組織、脳を覆う膜などから発生し、さらに良性と悪性に分類されます。主な原発性脳腫瘍には、神経膠腫(グリオーマ)、悪性リンパ腫、髄膜腫、神経鞘腫、下垂体腺腫などがあります。一方、転移性脳腫瘍が、脳以外の癌細胞が血流により脳内に運ばれ、脳内で増殖することで腫瘍となります。原発巣には、肺がん、乳癌、胃がんが多いです。腫瘍ができた脳の部位により、意識障害、頭痛、呂律障害、物忘れ、失語(言葉が理解できない、言葉が出てこない)、手足の脱力、めまい、けいれん発作など多彩な症状がでてきます。腫瘍ができることで脳の圧が高くなり(頭蓋内圧亢進)、頭痛は朝に強い傾向があります。腫瘍が疑われる場合には、CTやMRIなどの画像検査を行い診断します。年齢、既往歴、腫瘍のできた場所、画像の様子などから、腫瘍のタイプを判断します。良性腫瘍でサイズが小さく症状が無ければ、定期的に画像フォローをする場合もあります。確実な診断には手術で腫瘍組織をとり、病理組織検査が行われます。

脳ドックについて

当院では、これらの危険な脳疾患の原因を発症前にに発見するために、脳ドックが可能です。

特に、以下のような方は、脳ドックをお勧めします。

  1. 40歳以上で、これまで脳MRIを受けたことのない方。
  2. 生活習慣病(高血圧、脂質異常症、糖尿病)、虚血性心疾患の既往のある方。
  3. 血縁の近い親族に脳の病気がある方。

詳しくは脳ドックのページへ

 

当院の特徴

  • 脳神経外科専門医による迅速な診断と適切な治療を行います。
  • 危険な二次性頭痛を見逃さないためにMRI検査が可能です。
  • 緊急を要する病気の場合には、提携医療機関へご紹介します。

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