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その他の脊椎・脊髄の病気

骨粗粗鬆症

 骨粗鬆症とは、骨の量(骨量)が減り骨が弱くなり骨折しやすくなる病気です。女性ホルモンの減少と関わりあり、特に閉経後の女性に多くみられます。食生活などの生活習慣、他の病気、お薬が引き金となり、骨粗鬆症となる場合もあります。骨粗鬆症になっても痛みはありませんが、転んだりすると骨折(せぼね、手首、太ももなど)しやすくなります。

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脊椎圧迫骨折

 転倒などで背骨に強い力が加わり背骨の土台である椎体が折れる病気です。骨粗鬆症原因のことが多いです。

症状

 骨折部を中心とした背中や腰部の痛みが出現します。骨折した椎体が潰れて後ろ側にある神経(脊髄や神経根)を圧迫すると下肢の痺れや痛み、脱力が出現します。

検査

 背骨のレントゲン、CT、MRIにより診断されます。発症すぐには、背骨の骨折はレントゲンでは判りにくく、MRIでないとわからない場合があります。

治療

 骨折したての早期は、骨が潰れないようにコルセットを装着して、痛みに対しては鎮痛剤を使用します。この保存的治療でほとんどの場合は改善します。しかし、痛みが改善しないようであれば、外科治療(椎体形成術など)を行う場合があります。骨粗鬆症が原因の場合には、続けて骨折する危険性が高く、骨粗鬆症の治療を開始します。

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脊椎・脊髄腫瘍

 脊椎・脊髄およびその周囲組織にできる腫瘍です. 発生する頻度は10万人あたり1~2人で、脳腫瘍の1/5~1/10程度と比較的珍しい疾患です. 診断は、患者情報、臨床経過および症状、画像所見などから総合的に判断する必要があります. 

症状

 初発症状として最も多いのは疼痛で、周辺神経組織(脊髄や神経根)障害による感覚および運動障害などの神経症状を伴うことがあります。

腫瘍の分類

 脊髄腫瘍は腫瘍のできる部位により以下の3つに分類されます。

髄内腫瘍 

 神経組織から発生した腫瘍(上衣腫、星細胞腫など)、血管系腫瘍(血管芽腫と海綿状血管腫など)、転移性腫瘍(癌の転移:稀)などがあります。

髄外腫瘍

 神経を覆う膜から発生する神経鞘腫、髄膜腫が多く、他に類皮腫、類上皮腫、転移性腫瘍などがあります

硬膜外腫瘍

 転移性脊椎腫瘍が多く、他に悪性腫瘍(脊索腫、骨髄腫、軟骨肉腫、骨肉腫、悪性リンパ腫など)、良性腫瘍(骨軟骨腫、血管腫、巨細胞腫など)などがあります。


髄内腫瘍に画像が似ている病気

 以下の病気は髄内腫瘍と画像所見が似ているので注意が必要です。

  • 脱髄疾患:自己免疫の異常による脊髄に炎症が生じる病気(多発性硬化症、視神経脊髄炎など)。
  • 変性疾患による脊髄髄内変化:頸椎の変性疾患(背骨の加齢的変化が原因の頸椎症や頚椎椎間板ヘルニアなど)による強い圧迫により脊髄内部が白くなる病態。
  • 脊髄空洞症:キアリ奇形などが原因で、脊髄内部に髄液が貯留する病気。
診断

 MRIが有用で、腫瘍が認められたら推測される各腫瘍に応じた必要な検査を追加します。XP、CTでは腫瘍による骨の破壊、腫瘍内の石灰化像などの所見を認めることがります。

治療

 年齢、組織型、重症度などを総合して治療方針を決めます。良性腫瘍では症状がなければ注意深く経過観察することが多いですが、症状がある場合は日常生活へ支障をきたすようならば手術を考慮します。悪性腫瘍では、手術と後療法(放射線治療および化学療法など)を組織型と病態を考慮します。

脊髄空洞症、キアリ奇形

 先天的に後頭部の発達が悪いために、小脳が収まりきらずに大後頭孔(後頭部の下に空いている穴)から下にはみ出す病気です。大後頭孔には延髄から脊髄に移行する部位が位置しますが、はみ出した小脳により圧迫され脳幹、脊髄の障害が生じます。さらにくも膜下の空間も圧迫されることにより髄液の流れが悪くなるために、脊髄の中に髄液が貯留し空洞が形成されたり、脳室に髄液が貯留する水頭症となる場合があります。

症状

 後頭部から後頚部を中心とした痛み、延髄障害による嚥下障害(飲み込みにくい)、嗄声(声のかすれ)、構音障害(呂律が回らない)、顔面の感覚障害などが出現します。また、脊髄空洞症があると脊髄障害が加わり、四肢の感覚障害、筋力の低下が生じます。

検査

 MRIにより診断がなされます。キアリ奇形では、頭蓋骨と頚椎の境目を中心とした骨や血管などの形態の異常を伴う場合があり、レントゲン、CTで確認します。

治療

 画像でキアリ奇形と脊髄空洞症があっても、症状がなければ基本的には経過観察とします。症状がある場合には、外科的治療を検討します。

脊椎・脊髄ドック/骨粗鬆症ドック

 当院では、脊椎や脊髄の病気につながるような状態を確認するための脊椎・脊髄ドック、そして骨粗鬆症につながるような状態を確認する骨粗鬆症ドックを行っています。

以下のような方は脊椎・脊髄ドック/骨粗鬆症ドックを受けられることをお勧めします。

  1. 40歳以上で、生活習慣病(高血圧、脂質異常症、糖尿病)などがある方。
  2. 骨粗鬆症の家族歴のある方。
  3. 症状は無いけれども背骨の病気や骨粗鬆症が心配で、希望の検査を受けたい方。
  4. 年齢とともに背が低くなっている方。

脊椎・脊髄ドック/骨粗鬆症ドックについて

当院の特徴

  • 脊椎・脊髄の診療の経験が豊富な脊椎脊髄外科専門医が診療を行っています。
  • 診断に必要なMRI、骨密度検査装置など検査機器を備えており、早期診断・早期治療が可能です。
  • 機能回復のリハビリテーションが可能です。
  • 緊急の治療を要する場合には、連携医療機関をご紹介します。

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