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脳腫瘍

 脳腫瘍は、頭蓋骨内の脳組織や脳周辺組織から発生する腫瘍の総称で、脳組織から発生する原発性脳腫瘍と転移性脳腫瘍に大別されます。転移性脳腫瘍は脳以外の臓器に発生した癌が主に血液に流され脳にたどり着き増大したもので、悪性腫瘍です。原発性脳腫瘍は、脳組織や脳から出る神経を覆う膜から発生する腫瘍で、良性と悪性があります。良性腫瘍は主に脳実質以外の組織(脳や脳神経を覆う膜、下垂体など)から発生するものが多いです。悪性腫瘍は脳実質に発生することが多く、脳に浸潤するように広がります。基本的に、発育のスピードは、良性腫瘍は遅く、悪性腫瘍は速いです。

代表的な脳腫瘍
  • 髄膜腫:脳を覆う髄膜から発生する腫瘍で頭蓋内のあらゆる部位に発生します。脳を外側から圧迫します。基本的には良性腫瘍ですが、稀に増殖能が高い悪性のものもあります。
  • 神経鞘腫:脳神経を覆う膜(神経鞘)から発生した腫瘍です。聴神経と三叉神経が好発部位です。
  • 神経膠腫(グリオーマ):脳細胞のうちの神経膠細胞(グリア細胞)から発生する腫瘍の総称で、脳腫瘍の1/3を締めます。低悪性度のグレード1から悪性度の高いグレード4に分類され、グレードが上がるにつれ予後が悪くなります。グレード3および4は、進行が速く脳に浸潤して発育するために手術での全摘出は困難で、手術後の化学療法と放射線療法がおこなわれます。
  • 悪性リンパ腫:通常は脳にはリンパ球は無いのですが、脳内でリンパ球が増大し腫瘍化したものです。全脳腫瘍の3%と稀な腫瘍ですが、高齢者多いため高齢化に伴い増加傾向にあります。
  • 転移性脳腫瘍:脳以外の臓器に発生した癌が主に血液に流され脳にたどり着き増大した悪性腫瘍です。原発巣は多い順に、肺癌、乳癌、胃癌です。
  • 下垂体腺腫:ホルモンの中枢である下垂体にできた腫瘍で、ホルモンの産生が増える機能性とホルモンの産生が増えない非機能性に分類されます。
症状

 脳腫瘍が発生する部位により、様々な脳神経症状(認知機能障害、失語症、片麻痺など)が出現します。大脳に発生すると、けいれん発作を起こしやすくなります。脳腫瘍が増大し、周囲の浮腫(むくみ)を伴うようになると頭蓋内圧が亢進し、意識障害、嘔吐、頭痛が出現します。脳腫瘍により脳内の髄液の通り道が塞がれると、髄液の流れが悪くなり水頭症を来し、頭蓋内圧亢進の原因となります。下垂体腺腫の中で機能性腫瘍では、ホルモンの異常により様々な症状を生じます。また、下垂体腺腫が増大することにより、下垂体の上にある視神経が圧迫され視力低下・視野障害を起こします。

検査

 脳腫瘍全般においてMRIが非常に有用で、特に造影剤を使用すると詳しく腫瘍の情報が得られます。その他に、血管撮影(カテーテル使用)やRI検査など高次医療機関で行う検査もあります。これら様々な検査を行い総合して診断します。

治療

 良性脳腫瘍は、サイズが小さく症状が無ければ経過観察としますが、サイズが大きく症状がある場合には手術摘出を行います。悪性脳腫瘍は、手術で摘出した腫瘍を病理検査に提出し診断を確定します。悪性脳腫瘍は、手術で摘出しても周囲に残存した腫瘍組織が増大する可能性があり、手術後に腫瘍に効果のある化学療法や放射線療法を行います。転移性脳腫瘍は、原発巣の状態も治療方針を決定する大きな要因となります。転移性脳腫瘍は、腫瘍のサイズや場所により放射線治療を選択する場合もあります。近年、脳腫瘍を中心とした脳病変に対する定位放射線治療の進歩は目覚ましいものがあります。対象患者さんはサイバーナイフおよびZAP-Xが可能な連携施設にご紹介いたします。

サイバーナイフについて

ZAPについて

 

 

当院の特徴

  • 脳の病気に対する経験豊富な脳神経外科専門医が診療を行っています。
  • 診断に必要なMRIなど検査機器を備えており、早期診断・治療が可能です。
  • 機能回復のリハビリテーションが可能です。
  • 手術治療が必要な場合や緊急を要する場合には、連携医療機関へご紹介いたします。

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